信州・霧ヶ峰の風とかおりは、 霧ヶ峰のすべてをご紹介する、「霧ヶ峰高原」の総合ガイドです


霧ヶ峰高原−−− 自然観察


ニッコウキスゲ満開−−−−−−−−− レンゲツツジ咲く山頂−−−−−−−−− マツムシソウの尾根道−−−−−−−−山彦谷越しに八ヶ岳を望む 

霧ヶ峰の花(早春〜初夏)

 霧ヶ峰高原には国の天然記念物に指定されている高層湿原、広大な草原、自然状態に近い樹叢があり、生育する植物は1200種余にのぼります。
中でもきれいな花は種類が多く、早春から初夏にかけて見られる主な花をあげてみると、
 ザゼンソウ、ショウジョウバカマ、ミツバツチグリ、タチツボスミレ、タテヤマリンドウ、マルバスミレ、シロスミレ、スズラン、アヤメ、アマドコロ、レンゲツツジ などが次々に花を開きます。

霧ヶ峰の花(夏)

 霧ヶ峰高原には国の天然記念物に指定されている高層湿原、広大な草原、自然状態に近い樹叢があり、生育する植物は1200種余にのぼります。
 中でもきれいな花は種類が多く、夏に見られる主な花をあげてみると、
コバイケイソウ、ヤグルマソウ、テガタチドリ、イブキトラノオ、ウツボグサ、ノハナショウブ、ニッコウキスゲ、カラマツソウ、キンバイソウ、ハクサンフウロ、ウスユキソウ、サワギキョウ、エゾカワラナデシコ、ハナイカリ、ヨツバヒヨドリ、アカバナシモツケ、マルバダケブキ、コオニユリ、クガイソウ、ヤナギラン、ワレモコウ、オオバギボウシ、シシウド、アサマフウロ、ヤマホタルブクロ、ノアザミ、ツリガネニンジン、オミナエシ、サラシナショウマ、マツムシソウ、アキノキリンソウ などが次々に花を開きます。

霧ヶ峰の花(秋)

 霧ヶ峰高原には国の天然記念物に指定されている高層湿原、広大な草原、自然状態に近い樹叢があり、生育する植物は1200種余にのぼります。中でもきれいな花は種類が多く、秋に見られる主な花をあげてみると、 ウメバチソウ、ヤマトリカブト、ハバヤマボクチ、リンドウ、ススキ、エゾリンドウ、ヤマラッキョウなどが次々に花を開きます。

霧ヶ峰・山彦谷

 車山から北に進むと、霧ヶ峰高原の東端、緑豊かな「山彦谷」、お椀のような広い谷が殿城山、山彦谷南の耳・北の耳、大笹峰の稜線に囲まれています。
 この稜線で、山スキーの遭難があったのは1959年2月のこと、絶好のスキー日和に恵まれて、ころぼっくる・ひゅってを出たパーティーは、天候の急変で2時間もしないうちに濃い霧に巻き込まれたのでした。霧ヶ峰高原の様な平坦なところで視界がきかなくなると方向感覚がなくなって危険なのです。

 南の耳から山彦谷を見下ろすと、真っ白なスキー場の斜面が広がっています。広葉樹や落葉松の森が伐採されてエコーバレースキー場がオープンしたのは1981年12月27日のことでした。今、緑豊かな山彦谷の自然は殿城山周辺や北の耳の東斜面に残されていて、そこにはツキノワグマ、カモシカ、ニホンジカ、アナグマ、キツネ、ノウサギ、リス、オコジョなどが棲息しています。
 スキー場の下には個性的な宿が点在し、姫木平別荘地を経て大門川沿いのR152に出ます。

霧ヶ峰・鷹山

 霧ヶ峰高原の北東側、大笹峰(1807m)の北に広がる地域が鷹山です。
 見晴らしのいい山頂から、北斜面・パウダースノーのコースが2.5km先の集落まで続いています。スノーボード人気もあってボーダーの多いスキー場が殆どですが、ここは「スキーヤーオンリー」を謳って人気を集めています。また、稜線を南東に進み北の耳で西に向かえば、ゼブラ経由で八島湿原に下る静かな山道になります。
 鷹山は黒曜石の原産地で、開拓集落には旧石器時代の石器工場遺跡があり、縄文時代には正面の星糞峠に大規模な黒曜石鉱山の遺跡があります。明治大学黒曜石研究センターや星くずの里たかやま「黒曜石体験ミュージアム」が設置されています。
 また、車で5分程の男女倉(R142合流点)には名水「黒耀の水」がわき出してにぎわいを見せています。  

霧ヶ峰・和田峠

 霧ヶ峰高原の北側山麓をR142(中山道)が通っています。今は鷲ヶ峰の北を新和田トンネルで通り抜けますが、R142の旧道は和田川沿いの山腹を登って一車線交互通行の和田トンネルから下諏訪に下りました。  

 歴史の道として保存されている旧中山道はより低い和田川沿いの道で、和田宿を出ると接待、東餅屋を経て和田峠(古峠)を越える中山道随一の難所でした。峠の手前でビーナスラインと交差、やっとのことで登ってきた古峠からは今も諏訪方面の眺めがすばらしい。

 右に進めば三峰山を越えて美ヶ原へ、左は鷲ヶ峰経由で八島湿原です。

霧ヶ峰・八島湿原

 豊かな自然が残る八島ヶ原湿原は標高1630m、東西800m、南北1000mの高層湿原(枯れた植物が腐植せずに堆積、泥炭化して成長し、全体が水面より高く盛り上がったもの)、尾瀬ヶ原より古く、12000年かけて形成されたもので、国の天然記念物に指定されています。西に八島ヶ池、東に鎌ヶ池があり、北・西・南側には木道が整備されていて80分ほどで一周できます。
 湿原周辺で見られる植物は300種余、水路等にはスゲ類、カキツバタ、キリガミネヒオウギアヤメ、サワギキョウ、アカバナシモツケ等、泥炭層の発達したところにはミズゴケを中心にモウセンゴケ、ヒメシャクナゲ、ツルコケモモ等、高層湿原特有の植物があり、レンゲツツジ、ノリウツギ等の低木が湿原に侵入しています。
  湿原の紅葉は、9月上旬から10月上旬が見頃、広々とした湿原にススキの穂が銀色に輝き草紅葉が見事です。
  湿原駐車場に下諏訪町の「八島湿原ビジターセンター・あざみ館」があり、湿原の紹介やガイドウォークを行っています。  

霧ヶ峰・強清水/IC

   上諏訪からの道は、霧ヶ峰では早くから開けた強清水を経てインターチェンジへ。ここは美ヶ原、白樺湖、茅野に向かう十字路です。霧ヶ峰自然保護センターがあって、霧ヶ峰の自然全般についての知識を得ることができます。
 標高1675m、冷涼乾燥の地で、8月の気候は東京の5月の気候とほぼ同じ、年間を通して霧ヶ峰の最高気温は、東京の最低気温よりも低いのです。
 近くには、古くから開けた小さなスキー場、グライダー発祥の地として滑走路やグライダーふれあい館、薙鎌神社、長塚節の歌碑「うれしくもわけこしものか遙々に松虫草のさきつゝく山」(1895年作)があります。
 ニッコウキスゲ咲く霧ヶ峰自然研究路をゴマシオ山に登り、信濃路自然歩道を北に進むとロッジ風の宿が2軒ある沢渡、パウダースノーと山岳眺望のすばらしい沢渡スキー場(数年前に閉鎖)のベースでした。
 西に向かえば八島湿原、東に進めば車山湿原です。 

霧ヶ峰・最高峰「車山」

 霧ヶ峰高原の最高峰車山は標高1925m、360度日本の高山を見渡す展望台で、深田久弥の百名山のうち36峰、2800m以上の高峰50座以上が見られます。
 山頂には1999年に気象庁車山レーダーが設置され、屋上のレドームは直径7m、日本周辺の大雨等の自動観測をしています。

 東側の車山高原からはリフト、西側、コロボックルヒュッテのある車山肩からも徒歩45分ほどで気軽に百名山の山頂に立つことができます。東斜面は八ヶ岳を正面に大きく開けたスキー場、白樺湖が足下に見えています。
 登山道を北に下ると車山乗越、左に進めば山の花が咲き乱れる着うる車山湿原や霧ヶ峰の草原の中心蝶々深山から八島湿原へ、直進すると樺の丘(樺は枯れてしまった)を越えて山彦谷方面へハイキングコースが続いています。

霧ヶ峰・ビーナスライン

 八ヶ岳中信高原国定公園をぬって走るビーナスラインは、信州を代表する観光道路です。
 茅野市街(標高800m)から、八ヶ岳連峰を眺めながら進み、高級別荘地の蓼科高原を貫いて白樺湖へ。 さらに、高層湿原とニッコウキスゲの霧ケ峰高原(標高1500m)を経て、アルプスの展望台・美ヶ原高原(標高2000m)に至る、全長76km、素晴らしい眺望の高原ドライブウェイです。  
 1961年に着工したこの道路は、霧ケ峰〜和田峠間の建設に当たって(1968)、旧御射山遺跡の保存と八島ヶ原湿原植物群落の保護を求める反対運動があり、ルートが変更されたことで知られています。  
 この国内でも先駆的な自然保護の住民運動を題材に、新田次郎は小説「霧の子孫たち」を書き上げました。
 霧ヶ峰高原区間の標高は、大門峠1440m−−車山高原1580m−−車山肩1800m−−霧ヶ峰IC1680m−−沢渡1650m−−八島湿原1650m−−和田峠1510m、21kmです。大規模な駐車場は車山高原と霧ヶ峰ICにあり、富士見台、車山肩、八島湿原などは小さな駐車場、ニッコウキスゲの盛りには霧ヶ峰IC−和田峠間にシャトルバスが運行されます。

山地草原

 霧ヶ峰高原は、霧ヶ峰火山の溶岩流の上に御岳火山の火山灰がかぶって、高原状の台地が作られたといわれます。台地にはニッコウキスゲなどが咲き乱れる典型的な山地草原が広がっています。草原は、採草、火入れによってできた山地草原ですが、一部には放牧、牧草栽培などによって造成された草原もあります。
 標高1600m以上の高地にあり、亜寒帯の気候なので春は遅く、冬は早くやってきます。春は5月下旬頃から、ショウジョウバカマ、タテヤマリンドウ、ザゼンソウに始まり、キジムシロ、スズラン、サクラソウ、クリンソウ、ズミなどが次々に咲いていきます。レンゲツツジが草原を彩る6月中頃は、スミレ類の盛りでもあります。
 7月からは、ニッコウキスゲが草原全体を黄橙色に染め上げ、百花繚乱・霧ヶ峰の夏です。シシウド、ヨツバヒヨドリ、キンバイソウ、マルバダケブキ、ハンゴンソウ、コオニユリ、アカバナシモツケ、ヤナギラン、ノアザミ、コバギボウシ、アヤメなどが見事です。
 早い秋の訪れは立秋の頃から、マツムシソウ、サラシナショウマ、ウメバチソウ、ノコンギク、最後にリンドウが咲いて、すすきの穂が秋の夕日を受けて銀色に光ります。10月下旬には初雪が舞います。  

高層湿原(天然記念物)

 霧ヶ峰高原には尾瀬と並ぶ日本の代表的な高層湿原があり、枯れたミズゴケなどの植物が腐らずに泥炭層となって堆積し、水面よりも高く盛り上がっています。霧ヶ峰の高層湿原は、八島ヶ原湿原、踊場湿原、車山湿原の3ヶ所で日本では南限にあたり、1939年に国の天然記念物に指定、キリガミネヒオウギアヤメなど新種も発見されています。
・・・八島湿原・・・
 標高1630m、南北600m余、東西1000m余、西側に八島ヶ池、東側に鎌ヶ池があり、その中間に鬼ヶ泉水池があります。泥炭層の厚さは8mを越え、約10000年をかけて堆積したといわれています。周囲には木道が整備されていて、300種類以上の植物を楽しみながら一周することができます。 
・・・踊場湿原・・・
 標高1580m、東西800m余、南北100m、東部にあしくらの池があり、泥炭層の厚さは2.5mです。ここは池のくるみとも呼ばれていて、一周1時間ほどの遊歩道が整備されています。
・・・車山湿原・・・
 標高1780m、車山と蝶々深山に挟まれた谷間の小川に沿って草原と入り組んで発達した湿原で、泥炭層の厚さは0.5m程度、3湿原の中では最も幼令です。北側と南側に遊歩道があります。   



雪の造形と蓼科山−−−−−−−−− ヤナギランの群落−−−−−−−−−− 霧ヶ峰高原盛夏−−−−−−−−− コロボックルと蓼科山 


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